札幌馬主協会

お知らせ・イベント

2026冬季繁殖馬セールが開催されました

株式会社ジェイエスが主催する「冬季繁殖馬セール」が1月21日(水)に静内の北海道市場で開催されました。

前日の雪が積もった中、35頭(受胎馬20頭、空胎馬15頭)の牝馬が上場しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ジェイエス冬季繫殖馬セール2026結果】

上場頭数  受胎馬  20頭

      空胎馬   15頭

落札頭数  受胎馬   11頭

      空胎馬      13頭

売却率 68,57%

平均価格  受胎馬  3,650,000円

      空胎馬     5,127,692円

売却総額  受胎馬  40,150,000円

      空胎馬     66,660,000円

        計  106,810,000円

 

最高落札馬 ピカリ (父Twirling Candy、未供用)34,100,000円 ハクレイファーム様 落札

ファラオの威力

 自らの力によって可能性を広げてきたある名馬の誕生の背景には「日本」の二文字が見え隠れする。
 1996年米国ケンタッキー州。種牡馬フォーティーナイナーの、翌年からの日本供用発表後、ある構想が水面化で動き始めた。クレイボーンファームが同馬の売却益を元手として、新たな基幹種牡馬候補購入を模索し、ゲインズウェーファームで繋養のアンブライドルドの購入に踏み切ったのだ。アンブライドルドは現役時代24戦8勝。勝ち鞍の中にはケンタッキーダービー、フロリダダービー、そしてブリーダーズカップ・クラシックが含まれる。種牡馬供用後も産駒の評判が良く順風満帆の生活を送っていたのだが、繋養先が変わって4年後に疝痛を発症して敢えなく落命してしまう。
 8年間の供用で生まれた産駒は僅か582頭。その最終産駒の1頭にカリッド・アブドゥーラ王子が生産所有したエンパイアーメーカーがいる。同馬は父同様、3歳春の重要なG1戦フロリダダービーを完勝し北上。ケンタッキーダービーでは2着となったが、三冠競走最終戦ベルモントステークスで優勝。その優れた血統背景もあり種牡馬として生まれ故郷のジャドモントファームに帰ってきた。因みに同年のケンタッキーダービー優勝馬ファニーサイドの2代父がフォーティーナイナーで、ファニーサイドの二冠達成により、この父系が米国で復活することになった。
 エンパイアメーカー供用2年目の産駒であるパイオニアオブザナイルはエジプト系米国人のアーメド・ザヤットの生産馬だが、1歳セリ上場に主取りとなりザヤットの服色で走らせることになった。このせりでの主取りからG1優勝、種牡馬入りという流れは本稿の主役であるアメリカンファラオと同様で、この父子は奇跡的にリーマンショックの渦に巻き込まれたザヤットの救いの神となった。
 アメリカンファラオは2歳時にデルマーフュチュリティ、フロントランナーSの二つのG1に勝ってはいるが、ブリーダーズカップ・ジュベナイルは蹄疾患で出走を取り消している。通常であればエクリプス賞受賞は微妙な戦績だが、各レースの内容が圧勝と呼べるもので最優秀2歳牡馬のタイトルを手中に収めた。翌3歳シーズンの戦績については、改めて紹介する必要はなかろう。
 37年ぶりの三冠馬である。それゆえ現役引退後も注目を集めていた。現役時は常に前々でレースをしなければ気が済まない激しい気性の馬がであったが、牧場へ生活の場を移すと意外な一面を見せた。種牡馬入り当時に本馬を担当したアッシュフォードスタッド(注:愛国クールモアスタッドの米国分場)のリチャード・バリーは供用前の健康診断で本馬のテストステロン値が平均以上なのに、交配業務を大人しくこなす利発さに驚いたと語っている。3年後にこれも三冠馬となったジャスティファイがアッシュフォードスタッドで本馬の僚友となったが、ファンにとっては威圧感がないアメリカンファラオの好感度が上のようだ。
 初年度は214頭と交配し、翌年175頭の初産駒が米国で登録された。本馬の産駒の特徴は「歩き方を知っている」というもので放牧地での動きもそうだし、厩舎スタッフとの引運動でも無駄なく動けることにある。そうした軽く柔らかい動きは、米国育成の中心地フロリダ州オカラの馴致担当者達の信頼を得たし、ダート・芝の両方で活躍馬を出す下地にもなったのだろう。上述のジャスティファイは現役時代570kg以上あった大型馬ゆえ、産駒が重くなり過ぎないように給餌計画に注意する必要がある。一方、アメリカンファラオ産駒はそうした心配がなく中期育成で手がかからず、長所を伸ばすことだけ考えて日々管理に臨める良さがある。
 日欧米でG1馬を輩出した本馬がいよいよ2026年シーズンだけ日本で繋養される。所有するクールモアスタッドは以前、後に欧米でリーディングサイアーとなるデインヒル、サンダーガルチを日本へ送り込んだことがあるが、当時北海道の馬産地での評判はそれほど高くなかったと記憶している。そのことをクールモアスタッド本場で長年種牡馬事業に関わってきたクレム・マーフィー(故人)に聞いたことがある。「我々は2番手の馬を送り込んだのではなく、異なる日本の馬場でも通用することを証明し、そして世界全体の芝部門の統計で上位に食い込むことにより自社の種牡馬の可能性をアピールしたいのだ」と説明してくれた。
昔から米国の競馬関係者は若い種牡馬に関心が高い。それゆえ、各種牡馬事業体やセリ主催者のマーケッティングも若い種牡馬の比重が高くなりメディアも当然追随する。即ち、ベテランの粋に入りつつある種牡馬は地味な存在に見えてしまうものだ。三冠馬ブームの熱狂から解放されたアメリカンファラオは、米国で依然オーナーブリーダー、コマーシャルブリーダーの双方から認められた存在だ。そうした評価を落とさず、優れた産駒を日本でも育てる。我が国の生産者は今、大きな命題に直面している。(文中敬称略)

日本に導入されたアメリカンファラオ(写真提供/クールモア)

アメリカでも絶大なる人気を誇った(写真提供/クールモア)

11月28日、日本の地を踏んだアメリカンファラオ

門別・JBC2歳優駿から始まったブリーダーズカップ制覇への道のり

 フォーエバーヤングがブリーダーズカップ・クラシックを制覇し、大偉業を成し遂げました。サウジカップで香港最強馬ロマンチックウォリアーを差し返して勝った時も劇的勝利に感動しましたし、世界を股にかけての活躍は素晴らしいと感じます。

BCクラシックの優勝レイ

 その歴史的快挙の分岐点の一つだったのでは、と個人的に感じるのは、2戦目で出走したJBC2歳優駿です。
 11月3日の開催という時期や2歳ダート戦の番組との関係から、フォーエバーヤングが出走した2023年は申し込んだ全頭が1勝馬。結果的に15頭の申し込みに対してJRA所属馬に出走枠は5頭が用意されていたのですが、全馬横並びの抽選でした。
 3分の1の確率をかいくぐって出走枠を手にしたフォーエバーヤングはご存知の通りJBC2歳優駿を勝利。それにより12月の全日本2歳優駿への出走を確定的なものとしました。仮にJBCに出走できなくとも同時期に京都でもちの木賞(1勝クラス)が行われますが、賞金はダートグレード競走であるJBCの方が高く、全日本2歳優駿への出走にあたっては有利です。実際この年の全日本2歳優駿では、JRA2勝馬は抽選対象でした。

世界への扉となったJBC2歳優駿(写真提供/ホッカイドウ競馬)

 こうして無事、全日本2歳優駿への出走を果たしたフォーエバーヤングはレースを圧勝したことで、翌年に海外遠征という選択肢が生まれたのでした。
 もしもJBC2歳優駿に選ばれなかった場合、どんなプランBがあったのでしょうか。矢作芳人調教師はこう振り返ります。
 「当時はまだそこまで思い描いていたわけではありません。全日本2歳優駿を圧勝したあと、年明けに行った話し合いの場で、オーナーは『せっかくできたし、大井競馬場なら見に行ける』と、創設されたダート三冠への思いをお持ちでした。私も大井の人間ですし、オーナーがどうしてもとおっしゃるならそれも悪くないと思いましたが、馬のためを思って言ったのは『種牡馬価値を考えた場合、海外に行って成績を出すのと、大井で三冠を獲ることでは桁が1つ違ってきます』ということ。そこで、サウジだけ、あるいはサウジ・ドバイの結果を見て、ダメなら帰ってくればいい、ということで海外遠征が決まりました」
 こうしたローテーションの決まり方を知ると、JBC2歳優駿と全日本2歳優駿に出走して勝てたことは大きかったと感じます。強い馬は強運も持っている、と言いますが、フォーエバーヤングもそうだったのでしょう。
 BCクラシック制覇への過程として、2年連続でデルマー開催だったことも追い風となったのでは、と思います。

サウジCに向けての追切。

 たとえばその一つがレース当日の動き。1年目は競馬場内の馬房を出てから装鞍、レースへと向かう過程でフォーエバーヤングのスイッチが入るのが「少し遅い気がしました」と調教担当の荒木裕樹彦調教助手は感じていましたが、今回は然るべきタイミングでスイッチが入り、体がぎゅっと締まる感じがあったといいます。一度経験した場所、ということもあったのかもしれません。
 また、カイバについて担当の渋田康弘調教助手はこう振り返ります。
 「去年は切り草にずいぶん苦労しました。ヤングがさすがに『これはいらない』って言い出して、僕も『だよね』と答えるほど。食べやすいように糖蜜で練りこんだりしました。今年はうちの厩舎で使っている物を用意してもらえて、調整がしやすかったです」
 こちらも前年の経験を生かせました。
 ところで、渋田調教助手のフォーエバーヤングとの会話。なんだか微笑ましく感じませんか。芝を食べるのが大好きな同馬について「トレセンで歩いていると、『ねぇ、あれって芝じゃない?』ってヤングが言ってくるんだけど、『違う、色は似ているけどあれは芝じゃない』って誤魔化すんです。だって、芝だと気づいたら、ヤングは頭がいいから毎日そこで止まって食べちゃうから」というエピソードも。
 また、矢作厩舎が馬房の敷料をチップから木材をシェービングしたタイプの物に変えた時には、フォーエバーヤングとは別の担当馬が何度も寝転ぶ様子を「おー、もう1回寝転ぶんか。気持ちいいか」と微笑みながら見守っていました。
 彼特有の感性や馬との会話が私は好きで、聞くたびにほっこりします。母親のように優しく受け止めてくれるから、馬も安心して日々のトレーニングに臨めるのでは、とも感じます。
 2026年はサウジカップ連覇、そして昨年のリベンジを果たすべくドバイワールドカップへと転戦予定とのこと。世界で再び活躍する姿を楽しみにしています。

当協会会員馬の優勝記録 ‐2025年12月-

開催場 開催日 レース名 馬名 馬主名 生産者 重賞勝利
中京 12月6日 3歳以上1勝クラス セルヴァンス 中村祐子 新ひだか・ケイアイファーム
阪神 12月6日 メイクデビュー阪神 エルハーベン 吉田勝己 安平・ノーザンファーム
中京 12月6日 飛騨ステークス レディマリオン 吉田勝己 安平・ノーザンファーム
中山 12月7日 障害未勝利 テーオーリカード 小笹公也 浦河・三嶋牧場
中京 12月7日 2歳未勝利 トライアンフパス サラブレッドクラブ・ラフィアン 新冠・ビッグレッドファーム
阪神 12月7日 メイクデビュー阪神 クイノールト 吉田勝己 安平・ノーザンファーム
中京 12月7日 犬山特別 エイシンナデシコ 栄進堂 浦河・山田昇史
阪神 12月7日 元町ステークス レディネス 安原浩司 新ひだか・フジワラフアーム
中山 12月7日 ラピスラズリステークス ロードフォアエース ロードホースクラブ 新ひだか・ケイアイファーム
中京 12月7日 栄特別 ホウオウレイヴン 小笹芳央 千歳・社台ファーム
阪神 12月13日 2歳未勝利・牝 タイニーワンダー フィールドレーシング 浦河・三嶋牧場
阪神 12月13日 2歳未勝利 ナクソス 岡田牧雄 新冠・コスモヴューファーム
阪神 12月13日 障害未勝利 ロードリベラシオン ロードホースクラブ 浦河・笹地牧場
中京 12月13日 3歳以上1勝クラス マジックローズ ロードホースクラブ 新ひだか・ケイアイファーム
中京 12月13日 つわぶき賞 プレセピオ 吉田千津 千歳・社台ファーム
中山 12月13日 常総ステークス マイネルオーシャン サラブレッドクラブ・ラフィアン 新冠・ビッグレッドファーム
中京 12月13日 中日新聞杯 シェイクユアハート 吉田千津 千歳・社台ファーム
阪神 12月14日 2歳未勝利 テーオーアルアイン 小笹公也 千歳・社台ファーム
中山 12月14日 障害未勝利 ゴールデンスロープ 岡田牧雄 えりも・寺井文秀
阪神 12月14日 2歳1勝クラス テーオーグレーザー 小笹公也 新冠・松木加代
中京 12月14日 大須特別 レッドボブ エースレーシング 安平・ノーザンファーム
阪神 12月14日 竹田城ステークス ロードプレジール ロードホースクラブ 新ひだか・ケイアイファーム
中山 12月14日 カペラステークス テーオーエルビス 小笹公也 米国
阪神 12月14日 阪神ジュベナイルフィリーズ スターアニス 吉田勝己 安平・ノーザンファーム
中山 12月14日 3歳以上1勝クラス ウィンターベル 吉田勝己 安平・ノーザンファーム
川崎 12月17日 全日本2歳優駿 パイロマンサー ゴドルフィン 日高・ダーレー・ジャパン・ファーム
中山 12月20日 2歳未勝利 ミスターライト ゴドルフィン 日高・ダーレー・ジャパン・ファーム
中京 12月20日 2歳未勝利 ロードメルヴェイユ ロードホースクラブ 新ひだか・ケイアイファーム
阪神 12月20日 メイクデビュー阪神・牝 スピナーリート 社台レースホース 千歳・社台ファーム
中京 12月20日 2025ヤングジョッキーズシリーズファイナルラウンド中京1戦 モアリジット 社台レースホース 白老・社台コーポレーション白老ファーム
中京 12月20日 2025ヤングジョッキーズシリーズファイナルラウンド中京2戦 トルーマンテソーロ 了徳寺健二ホールディングス 日高・日高大洋牧場
中山 12月20日 ターコイズステークス ドロップオブライト 岡田牧雄 新ひだか・岡田スタツド
中山 12月21日 2歳未勝利 ホウオウヘッセン 小笹芳央 新ひだか・岡田スタツド
中山 12月21日 2歳未勝利 ヘルメスギャング フィールドレーシング 日高・オリオンファーム
阪神 12月21日 2歳未勝利・牝 エイズルブルーム 北所直人 新ひだか・友田牧場
中京 12月21日 2歳未勝利 テルヴィセクス 土井久美子 新冠・錦岡牧場
中山 12月21日 メイクデビュー中山 ロデオドライブ 吉田勝己 安平・ノーザンファーム
中京 12月21日 3歳以上1勝クラス・牝 ノクナレア 社台レースホース 千歳・社台ファーム
中京 12月21日 3歳以上1勝クラス・若 エメラヴィ 桑田牧場 浦河・桑田牧場
中山 12月21日 2歳未勝利 ジッピーチューン 吉田照哉 千歳・社台ファーム
阪神 12月21日 御影ステークス トリリオンボーイ 武田美香 様似・様似共栄牧場
中山 12月21日 ディセンバーステークス ドラゴンブースト 水谷美穂 安平・ゼットステーブル
名古屋 12月24日 名古屋大賞典 アピーリングルック 社台レースホース 千歳・社台ファーム
中山 12月28日 2歳未勝利 ピュール 中村祐子 新ひだか・ケイアイファーム
阪神 12月28日 2歳未勝利 ストームゲイル 安原浩司 浦河・三嶋牧場
阪神 12月28日 3歳以上2勝クラス ゴールドダイアー 岡田牧雄 新ひだか・岡田スタツド
中山 12月28日 2025ファイナルステークス ジョイフルニュース 社台レースホース 千歳・社台ファーム

謹んで新年のお喜びを申し上げます

皆様におかれましては輝かしい新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。 
旧年中は格別なご高配を賜り、誠に有難うございました。
 
午年を迎え、馬産地に根ざす馬主協会として生産者・関係者との連携に努めてまいります。
本年も変わらぬご支援を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。